空き家3000万円特別控除|父母が続けて亡くなった相続で注意する登記の順序|戸塚区・泉区・栄区の不動産登記や相続手続きは、司法書士安西総合事務所にお任せください。

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空き家3000万円特別控除と数次相続
―「誰の死亡で空き家になったか」が問われる場面

相続した空家を売却する場合には、3,000万円特別控除が利用できることがあります。もっとも、父・母が順次亡くなるような数次相続の場面では、相続手続きの順序によって、特例の適用関係が変わる可能性があるので注意が必要です。
ここでは、相続実務の視点から、そのポイントを確認します。

■ 空家特例の基本要件

相続した空家を売却する場合には、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(租税特別措置法35条3項)が利用できることがあります。

この制度は、相続により取得した空家の放置を抑制する目的で設けられており、特例の対象となる建物とは、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で、次の3つの要件すべてに当てはまるものをいいます。

イ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
ロ 区分所有建物登記がされている建物でないこと。
ハ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。


相続した実家を売却するにあたり、空家特例の適用を検討する場合は、
まず「入口の時点」で、上記3つの要件を満たしているか確認する必要があります。

このうち実務で特に重要になるのが、
・相続の開始直前において、被相続人以外に居住していた者がいないこと
という要件です。

つまり、
「その人が亡くなったことで、初めて空家になった」
という状況であることが必要になります。

■  数次相続と登記の問題

父、母と順次亡くなるような数次相続では、
登記手続は、父から子が直接相続したとして相続登記を行うことも可能です。
むしろ、実務ではこれが一般的な相続登記といえます。

しかし、この方法は空家特例が使える場面では注意が必要です。
なぜなら、この方法をとると、登記上の父から子が実家を相続した時点(父の相続開始日)において、まだ母が居住していたため、
父の死亡によって空家になったとはいえない
という判定になり、これだと売却時、空家特例の適用が認められない可能性があります。

空家特例では、売却する不動産が「誰から相続した財産なのか」
という関係が重要になります。
そのため、母の死亡によって空家になったケースでは、

母から相続した不動産であること

を説明できる形にしておくことが間違いのない方法といえます。

この点については、実務では相続関係や取得経緯を明確にするため、
父から母へ、母から子へと、2回の相続登記を経由するケースも見られます。

空家特例を使うと節税効果は絶大のため、
確実に空家特例の適用を受けるには、
相続登記を2回に分けて行うことも十分検討に値します。

■ 相続税への影響

もっとも、このように一度母を経由して相続関係を整理する場合には、
二次相続への影響も考えておく必要があります。

たとえば、父の相続開始時点の実家の相続税評価額が 4,500万円程度だったとします。

この場合、相続人が母と子二人の3人であれば

基礎控除
3,000万円+600万円×3人=4,800万円

となるため、誰が相続しても 相続税の申告は不要です。
(説明の都合上、父の遺産は実家のみとします。)

ところが、(空家特例の適用を受けるため)実家をいったん母が相続したと整理すると、
当然、母の遺産に加算されることになります。

その結果、母の相続(二次相続)では、

母のもともとの財産+父から相続した実家4,500万円

が合算されるため、母の相続では基礎控除を超えてしまい、
相続税の申告が必要になるといった可能性があります。

空家特例を使いやすくするために相続関係を整理した結果、
二次相続で申告、税負担が増える可能性がある

という点には注意が必要です。

また、その他の注意点として、
空家特例により譲渡税の税額がゼロになる場合でも、

各種制度の判定に用いられる
合計所得金額では、特別控除前の譲渡所得が考慮されます。


その結果、次のような影響が生じることがあります。

・税務上の扶養控除・配偶者控除の判定
・住民税非課税世帯の判定
・後期高齢者医療の窓口負担割合(1割・2割・3割)の判定

■ 司法書士がサポートできること

相続空家の売却では

その前提となる相続関係の整理、税務の確認、相続登記、売却手続き、税務申告と、
複数の手続きが関係します。
「登記が終わってから気づいた。」では取り返しがつかない場合があります。

空家特例は税制の問題に見えますが、適用を受けるための前提としての
相続関係の整理や相続登記の方法によって、適用の有無が変わることがある制度
でもあります。

特に数次相続が関係する場合には、売却前に一度全体の関係を整理しておくことが
重要になります。

安西総合事務所では、相続実務の視点から、
相続関係の整理と相続登記、不動産の売却、税務申告のための税理士の紹介までの
全体の段取りを調整し支援します。
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