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相続・遺言・遺産承継

判決と相続登記


テーマ

「判決と相続証明書」


前回の続きです。


 被告側の欠席判決によって裁判で勝訴したXさんですが、ちょっと困ったことになりました。それは、今回のケースでは、判決に基づいて亡A名義の抵当権を抹消する前提として、まず、抵当権者の名義を亡Aから相続人Y・Zに変更しなければならないのですが、この相続登記を申請する際の添付書面に、被告Y・Z以外に亡Aの相続人がいないことを証する書面、すなわち、亡Aの除戸籍謄本等は必要になるのか、という疑問です。

 ところで、今回のような登記事件の裁判は、亡Aの相続人全員を共同被告としなければならないといった、いわゆる必要的共同訴訟ではないので、Y・Z以外に亡Aの相続人が他にいる可能性も考えられます。従って、登記所としては、「Y・Z以外に亡Aの相続人がいない」ことを確定するため、相続登記の際の添付書面に、亡Aの戸籍謄本等の提出を求めるのが一般的です。ただし、裁判の確定判決理由中に、相続人は当該相続人らのみである旨の認定がされている場合は、当該確定判決の正本の写しを相続を証する書面として取り扱って差し支えないとする先例があります※(平11.6.22、民三第1,259号民事局第三課長回答)。
 今回のケースでは、登記所と打ち合わせした結果、登記所はAの戸籍謄本等の提出は必要と判断しましたが、受任した事案の特殊性から、Y・Zからの協力が一切得られない状況下で、亡Aの戸籍謄本等を用意するのは非常に苦労しました。たとえ裁判で勝訴しても、肝心の登記手続が不能となってしまっては、それこそ絵に描いた餅になってしまいます。

 今回は紆余曲折ありましたが、最後は無事に抹消登記ができたので、一安心でした。また、今回の事件を受けて、相続が絡む登記手続は、一見単純そうに見えても、どこかに落とし穴があるかも知れないということを常に肝に銘じておく必要があると改めて実感しました。

以上です。

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※裁判所が判決の理由中にこのような認定をしてくれるのかどうかは、個々の事案によると思います。また、実務では、訴状の請求の原因に「なお、Aの相続人は被告らのみである。」と一言入れておくのが一般的です。

参考文献「登記研究774号カウンター相談236」他
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