昭和63年1月1日前の夫婦の一方からの単独縁組の記載のある戸籍について|不動産登記・相続登記・遺言・会社設立登記・成年後見・司法書士安西総合事務所<横浜市戸塚区・泉区>

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「昭和63年1月1日前になされた夫婦の一方からの単独縁組の記載のある戸籍について」

質問

 戸籍上、昭和60年○月×日付けで、夫婦の一方が単独で縁組をした旨の記載がある場合、当該縁組の養親を被相続人とする相続登記において、当該戸籍謄本をもって、その養子を相続人と証明することはできますか?


回答及び解説

 相続登記の処理において、当該戸籍謄本のみをもって直ちに養子を相続人と証明することは困難であると考えます。
 まず、現行民法上、配偶者のある者が縁組を行う場合の規定については、未成年者を養子とするときに限り、原則、配偶者とともに行う必要があるとされています(民法第795条<昭和63年1月1日施行>)。たとえば、配偶者のある者が養子となる場合はそもそも未成年者とはされないので(民法753条「成年擬制の効果参照」)、夫婦がともに養子となる必要はありません。また、養親となる者が婚姻していても養子となる者が成年に達しているとき、又は未成年者であっても配偶者の嫡出である子を養子とするときは、夫婦で養親となる必要はないとされています。
 一方で、昭和63年1月1日改正前の民法の規定では、原則、配偶者のある者は、その配偶者とともにしなければ、縁組をすることができないとされていました。また、この場合において、配偶者の一方がその意思を表示することが出来ないときは、他の一方が夫婦双方の名義で縁組ができるものとする規定があり、当時の戸籍法でも、夫婦双方の名義で届出ができるものとして、戸籍にその旨が記載されていました。したがって、夫婦の一方が当事者となっている縁組届は、本来違法であり、受理されるものではなかったのですが、これが誤って受理され、そのとおりに戸籍に記載されたまま現在に至る場合、どのように解釈すればいいのかという問題が残ります。
 これに関しては、これまでに様々な学説や先例、裁判例があり、改正前民法の時代になされた夫婦一方からの単独縁組の効果が、無効であるのか、有効であるのか、一概には判断できません。しかし、登記官の形式的審査権では、質問の戸籍記録のままでは、その有効、無効が判断できないものとして、当該戸籍謄本をもって養親子関係の存在を前提とする相続登記の申請は、適法な情報の提供がないものとして、却下されるものと考えられます。

以上です。


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