チェック共有不動産解消信託
<事例>
@父名義の自宅不動産について、父の相続の際に、母H持分4分の2、長男A持分4分の1、二男B持分4分の1とする相続登記をした。
A今は家族全員元気で仲もいいが、将来、母Hが認知症等になって不動産の管理・処分が困難となってしまう可能性や、子どもがいないBに相続が発生すると、Bの持分がいずれBの妻側親族へ移転することが気がかりである。
解決策はありますか。



お悩み

二次相続によって共有関係がますます複雑になるリスク

共有者の一名が高齢のため、将来認知症等が進み意思能力が喪失したりすると、不動産の処分等が困難となる場合があります。また、共有者の一人に相続が発生すると、その持分は相続財産の対象となり、結果、当初予定していなかった共有者が新たに登場し、ますます複雑な共有状態になることが想定されます。




対 策

信託によって登記の名義を一人にまとめる。

まず、共有者H・A・B全員が元気なうちに話し合って、HとBの持分につき、「委託者兼受益者H及びB」、「受託者A」とする不動産管理処分のための信託契約を締結し、HとBの登記名義をAに移転します。この際、登記名義を移転しても、HとBには受益権という形で実質的な持分に対応する権利は残るので安心です。そして、HとBは、受益者として、Aの信託事務を管理・監督します。







結 果

信託により管理と相続の両問題を同時に解決

信託を設定することで、共有不動産の管理・処分等についてはAが単独で適切な措置をとることができ、共有者不動産についての管理問題や、一部の共有者の相続の発生による名義変更の煩雑を解消することができます。また、信託の設定内容(信託条項)をアレンジすることで、受託者Aが、HやBに無断で不動産を処分することを禁止したり、受益者につき相続が開始した場合の次順位の受益者を、予め契約で指定することが可能となります。


※上記事例は、個人のAを受託者として設定していますが、実例に応じて、たとえば、家族間で一般社団法人を設立し、法人を受託者とするケースもあります。

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