遺言に代わる家族信託による遺産承継の特色

家族信託で遺言執行の手間やリスクを軽減

  平成30年の改正民法の影響により、完璧な遺言書を作成しても、万全の遺産承継ができる保障はなくなりました。そこで、遺言に代わる選択肢の一つとして、

遺言代用型と呼ばれる家族信託

を検討してみる価値はあると思います。

 たとえば、

確実に承継させたい不動産がある場合

遺言者はこれをあらかじめ信託設定しておき、生前は遺言者自らを受益者として利益(※1)を受けつつ、信託終了後(この場合は遺言者の相続開始後)は、特定の承継人(※2)に確実に不動産を帰属させることができます。

 この場合、遺言と異なり登記の対抗要件は問題にならず、また、遺言の場合における遺言執行におけるタイムラグや手間は発生しません(遺言執行者へ支払う高額な執行費用もかかりません。)。(※3)


(※1)具体的な利益として、居住する権利や収益を得る権利、売却した際の代金を受け取る権利などが挙げられます。
(※2)特定の相続人などを指します。
(※3)詳しくは、こちら(これからの遺言執行の不確実性)をご参照ください。

具体的な事例【図解】
図解家族信託
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※委託者以外の者を受益者に含める場合、税金の課税が問題になることがあります。詳しくはお問い合わせください。

※設定した信託の終了事由を委託者の死亡時と定めた場合、

委託者(親御さん)の相続発生と同時に信託は終了し、

信託した財産は委託者が指定した者(特定の相続人等)へ当然に承継されます。

遺言と同じ効果であることから、このような信託を

遺言代用信託

と呼びます。遺言代用信託による財産承継を利用すれば、遺言と比べて、遺言執行時に伴う手間や登記の「遅れ」による執行不能といった問題は、通常発生しません。

家族信託のメリット

メリット1

財産を受託者へ託せる制度

受託者には、まず、自分の財産と、預かった信託(信託財産)とをしっかり分別して管理する義務があります。受託者には、委託者の希望(信託目的)を達成するための様々な義務があり、受託者は、信託財産を自分の物にしたり、好き勝手に財産を処分するといったことはできません。

メリット2

自分のためだけでなく、家族のためにも使える制度

成年後見制度と異なり、信託財産を自分やその家族のためにも有効活用することができます。たとえば、信託した財産から受けられる給付の帰属先を「自分とその妻(※)」としたり、または、自分が亡くなったあとの信託財産の給付先に、第三者(子や孫等)を指定することもできます。
 また、不動産を信託によって移転する場合は、原則、譲渡に関する課税はないので、余分な税金を掛けずに設定することができます

注)委託者(自分)以外の者を信託で「受益者」と定める場合は、課税関係を慎重に判断する必要があります。詳しくはお問い合わせください。

メリット3

自前でできる認知症対策

認知症が進むと、預貯金の解約手続きや不動産の処分等が困難となります。この場合に、これらの手続きを進めるには、原則、家庭裁判所で成年後見人等を選任し、後見人の関与が必須ですが、あらかじめ信託契約で財産の管理又は処分方法を決めておけば、委託者本人が認知症等になっても、信頼できる家族(受託者)が、財産の管理等を行うことで解決できます。
このことは家族信託の最大のメリットといえます。

メリット4

遺言書作成に代わる相続対策

委託者が死亡(信託が終了)したときの信託財産の行く先(承継人)を契約で指定しておけば、委託者の相続発生後、信託財産は指定された人へそのまま移転します。家族信託には、委託者が遺言書を作成することと同じ効果があり、これも家族信託の大きなメリットといえます。

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