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被相続人の登記上の住所が住民票の除票や戸籍の附票から判明しない場合の必要書類

 

質問
 登記上の所有者Aにつき相続が開始し、Aの死亡時の最後の住所は東京ですが、Aがだいぶ昔に登記したときの住所は埼玉県であり、その後一度も住所の変更登記をしていなかったため、登記された住所は埼玉県から変更されていません。今回の相続登記にあたり取得したAの除籍謄本や戸籍の附票にはこの登記上の住所は出ておらず、また、Aの住民票(除票)は保存期間経過により廃棄され交付できないと言われました。この場合、相続登記をする際に、追加で何の書類を用意したらいいのでしょうか?

回答
 被相続人Aの所有権の登記をした際の登記済証があればご用意ください。
 (※相続登記に必要な書類一覧は、こちらをご参照下さい。)

解説
 所有権登記名義人に相続が開始し相続登記を申請する場合、被相続人の登記上の住所が戸除籍の謄本に記載された本籍地と異なるときは、一般的に、登記された住所の記載のある住民票の除票写し(要:本籍地の記載)、又は戸籍の付票(改正原戸籍の付票)の写し(以下、まとめて「住民票の除票写し等」。)を添付することによって、被相続人の同一性を証明する必要があります。なぜなら、不動産の登記記録に登記されている被相続人の情報は住所及び氏名の2点であり、相続登記の申請の際に添付された書類(戸除籍謄本等)によって、この2点の情報を一致させる必要があるからです。

 ところで、一般的に住民票の除票写し等は保存期間が5年程度と短く、役所へ請求してもすでに廃棄されているケースも少なくありません。こうなると、代替書類として、不在住証明書及び不在籍証明書、あるいは相続人からの申述書等をいくつか用意する必要があります。

 ただし、法務省回答(平成29.3.23付け法務省民事局民事第二課長回答)によると、所有権に関する被相続人名義の登記済証の提供があれば、上記代替書類の提供を求めることなく、被相続人の同一性を確認することができることになりました。通常、相続登記の申請にあたり登記済証の提出は不要ですが、上記のように被相続人の登記上の住所が通常の相続登記の添付書類から判明せず同一性を確認できないといったケースでは、この法務省回答により、被相続人の登記済証を提出することで相続登記を進めることができることになりました。

以上です。

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