相続・遺言・遺産承継

遺産分割協議

テーマ

長女が母の成年後見人となっている場合の遺産分割協議の方法について


質問
亡父の相続人は、長女の私と母の二人ですが、私は母の成年後見人になっています。父の遺産は相続人である母が全て取得する内容の遺産分割協議を行う予定ですが、この場合でも私と母は利益相反の関係になるのでしょうか?
 

回答
質問のケースは、利益相反に該当するものと考えられます。したがって、分割協議にあたっては、成年後見監督人がない場合、あなたは成年被後見人であるお母様のために、家庭裁判所へ特別代理人の選任申立をする必要があります。


解説
最高裁の判断では、遺産分割協議が利益相反行為に当たるか否かは、行為の客観的性質上、当事者間相互に利害の対立を生じるおそれがあるか否かによって決せられるべきであり、その行為の結果(遺産分割協議の結果)に左右されるものではないと判断しています(親権者とその親権に服する子との利益相反の事例につき、昭和49年7月22日判決参照)。また、登記実務もこの判例と同様の解釈により取り扱われています。
 したがって、仮に分割協議の結果が、成年被後見人であるお母様にとって有利な内容のものであっても、本分割協議は利益相反に該当するため、後見人であるあなたは、成年被後見人であるお母様のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません。そして、お父様の遺産分割協議は、その選任された特別代理人との間で行うことになります(民法§826、860参照)。
 なお、成年後見監督人が選任されている場合で、成年後見監督人が被後見人との間で利益が相反する状況になければ、成年後見監督人が被後見人を代表するため、特別代理人を選任する必要はなくなります。(民法§851条C参照)。

参考

特別代理人の選任の要否にかかるその他の事例

未成年者・親権者間の利益相反行為について(遺産分割協議編)
未成年者・親権者間の利益相反行為について(相続放棄編)

参考条文
☆民法☆
(後見監督人の職務)
第851条 後見監督人の職務は、次のとおりとする。
一 後見人の事務を監督すること。
二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。

☆任意後見契約に関する法律☆
(任意後見監督人の職務等)
第7条 任意後見監督人の職務は、次のとおりとする。
一 任意後見人の事務を監督すること。
二 任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること。
三 急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において、必要な処分をすること。
四 任意後見人又はその代表する者と本人との利益が相反する行為について本人を代表すること。

以上です。

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